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G's voice

英会話カフェを経営している男が、それとはほぼ無関係な事を酔った勢いで、無責任に書くコーナー。途中からまじめに小説家を目指すに至る。
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どうなるG-FLEX(11)
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    開発への道(1)

     

     そんな風な一人目のエンジェル(個人投資家)だったが、そんな人ばかりではなかった(後で知ったが、それらは紹介屋と言われる人たちらしい)。

     基本会いに行ける場所(神奈川、東京など)の投資家を探していたが、大阪からのオファーもあった。その彼は自分の投資会社を持ち、それまでの投資経験も豊富であった様だ。その人からビデオチャットのインタビューを申し込まれた。

    しかし実は僕は今までスカイプなどでのビデオチャットをやったことがない。ダウンロードしても使わずじまいだった。

    で、慌ててPCカメラを購入。ダウンロード、セッティング。驚くほど簡単。たしかずっと昔、十数年前くらいにスカイプを使っていた事があって、海外の知り合いと音声では話していたが、当時ビデオチャットは無かった。設定も結構面倒だった気がする。それ以降あまり必要性が無かったため、インストールはしていても使う事はなかった。

    その投資家は、完全にそれを生業としているプロだった。その眼に僕の事業はどう映るのか。それだけでも興味があった。

     

    時間どおりにcallをすると彼はすぐに受けた。僕は実は大阪人がちょっと苦手なのだ。

     

    「横浜の人間は「〜でしょ?」とか男が言うやんか、あれ気持ち悪いで〜!あんなもん、女の言葉やんか」(これで大阪弁合ってるか分からない)

     

     デリカシーが無い、自分の主張をガナリたてる人間のイメージが。とても「和の国の人」とは思えない、とはかなりの偏見であるとは思うが。大学生の頃や社会人になってからも関西人にヤリこめられた僕のトラウマなのかも知れない。でも大阪の女の子(関西弁女子)はかわいい(あくまで響きだけだが)。

     ひどい偏った意見を不快に思った方々ごめんなさい。

     

     

     しかし、その投資家の彼はそこまでの感じでは無かった。内容を説明するも、よく分らない、と言う事を言われ、噛み砕いて初歩から説明した結果、「うん、まあそうやろか」と納得したのかどうか。

     その後、彼はマーケットがどうで、どうやって売るのか、と言う話をし出した。まあ、結局お金が儲かるかどうか知りたい訳だから当然である。内容について、現在のe-learningの市場規模や、スカイプ英会話の広まり具合の数値的な話をしたが、どうやら本人は、そっちの世界には全く知識が無いようで、「ふーん」の連発。さらにそれを実現するのに、最終的にどれだけお金が掛るかと言う話においては、僕自身全く分らないので、1000万かも知れないし、1億円かも知れない、と答えた。まさに今まで前例のないサービスを考えているので、ITベンチャー企業でも数字をはじく事は無理だった。

    いくら掛るかわからない事に投資は出来ない、と言うのが彼の結論だったが、まあ当たり前だ。

     

    「あ、もうそろそろ時間ですから」

     

     そう彼は言いながら、僕が口を開く事をじっと待っている。終わりだと言いながら、締めようとしない。

    「いや、まあこんなものだと思ってましたので、別に細かいことはいいですよ。ちゃんと形を作ってからもう一度ご相談します」

    僕の中では、何とか投資を、などと言う切羽詰った気持ちもなく、現状がわかったのでそれで良かった。

     

    *

     

     そのすぐ後にITベンチャーの1社が二人で当社をわざわざ訪問し、「現状御社のプロジェクトに申し訳ありませんが、協力が出来ません」と、丁重にお断りを受けた。

     理由は、技術的にトップレベルの人間が携わる必要があるが、他の案件に取り組んでおり、現状の物件で手いっぱいでほぼ無理。音声認識技術への経験不足、などを挙げていた。

     その直後、もうひとつのITベンチャー会社からも、同様な内容のメールが届いた。

     表面的にはその様に言っているが、たぶんプロジェクトの狙っている大きさに比べ、我々の規模や資金が小さすぎるのだ。実現不可能だと思われているのだろう。通常docomoとかRakutenと仕事をしている会社である。お金の問題もあると思うが、こんな弱小会社を相手にしている時間はないのであろう。

     

     

     その後もネット上でエンジェルを募集していると、やはり何人かオファーをしてくれる投資家がいた。

     そして、ひょうんな事でたまたまG-FLEXに営業に来たIT企業があった。飛び込み営業だ。

     その人は名刺を見たら「代表取締役社長」とある。なんで、社長自らこんな小さな会社に、と尋ねると、

    「この近くに住んでいるからです」

     との答え。

     

    「前から知ってたんですが、英会話に関するアプリを今回開発したので、それをご紹介に来ました。」

     

     とても腰が低く、逆におどおどしている感もあって、(こう言った会社も大変なのだろうなぁ)などと思いながら、そのアプリの話を聞いた。そして、

     

    「僕が作りたいのは英会話を話せる様になるためのソフトやサービスです。今まで全部、聞く、また語彙を増やす事ばかりで、御社のアプリは全く私どものコンセプトにははまりません。」

     

     売り込みと言う事もあって、そうハッキリ断言すると共に、僕が今考えている、Reflex TRのソフトの概要について話した。

    「なるほど、それは今のニーズにはまるかも知れない」

     社長はしきりに感心して聞いてくれた。

     

     後でネットで調べると、資本は1億ほど、ソニーを辞めた人たちが作ったその会社は、直接音声認識APIなどの仕事をしていなかったが、スマホのアプリなどを作ったり、技術的には可能であろうことをNicolaと話し合った結果、ミーティングを持つ事となった。

     

    *

     

     その日、やはりイタリア人のNicolaを連れて、東京の事務所に向かった。先の日本ベスト100ITベンチャーとは全く感じが違う雑居ビルだったが、3階に上がり、襟を整えて鉄のドアをノックしてから開けた。すると眩しいほどの超明るい日差し。

     それは非常口の扉だった。ドアの先には外のビルが並ぶ景色と非常階段があった。

     

    「うん、」

     

     もう、Nicolaも僕もこの程度の事ではひるまない。どうやら左側のドアだった様だ。

     よし、こっち行くぞ。って感じでノック。ドアには2つの会社のステッカーが貼ってあった。

     

     研究室の様なその室内は、僕が研究職をやっていたころを彷彿とさせた。社長と技術部長らしき人が出てきて、応接スペースに案内された。

     Nicolaと僕は今迄どおり、メソッドの内容やプロジェクトの事、技術面での話し合いをした。社長、技術部長とも注意深く話を聞いて、質問やアイデアを出してくれた。しかし、やはり音声認識への知識が不足しているので、時間が掛るだろうとも言っていた。

    前のITベンチャーも担当者レベルでは乗り気だったが、いざ上の方へ持っていくと思うように通らなかった。しかし、ここでは社長が直接話を聞いてくれる。そして賛同してくれようとしている。

     まずはこの会社に託してみようと思った。

     

     

     どうなるG-FLEX(12)へ続く

     

     

    | どうなるG-FLEX | 03:46 | comments(0) | - | - |