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G's voice

英会話カフェを経営している男が、それとはほぼ無関係な事を酔った勢いで、無責任に書くコーナー。途中からまじめに小説家を目指すに至る。
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どうなるG-FLEX(9)
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    オンラインソフトウェア開発(2)

     

     

     音声認識システムの会社とのミーティングの後、いろいろ考えた結果、まずは全体のシステムを設計する必要があると思った。音声認識はその一部にすぎない。

     とは言っても自社開発は技術的に無理なので、システムを構築する、所謂IT系の会社に依頼する事になる。そしてその手の会社をネットで調べていく内に「日本のベンチャーベスト100」と言うサイトを見つけた。ベスト100と言っても今回のプロジェクトに適した実績、技術を持った会社がいい。見ると数年で資本金が億単位にのし上がった会社がズラリ。よし、この中から内容的に対応出来そうな会社を当たってみよう。そう考えた。

     

     その内の一つ、「メディアイノベーション(仮名)」と言う会社を当たる事にした。ホームページを見る限り、実績的に音声を扱ったシステムなどがあり、写真で見る限り社長も若くてかっこいい。さすがはITベンチャー。イメージ先行だ。そこの問い合わせホームからメールを出した。コンセプトのみで詳細は会ってからと言う具合だ。

     するとやはりすぐに次の日に返答があり、お会いして話がしたいとの旨。なんと素早いレスポンス。それとも僕の提案が余程魅力的だったのではないか。悦に入る。

     

     今度は名刺を忘れまい、と思い3日前には名刺を着ていくズボンに入れて、その次の日には念の為財布にも3枚ほどの名刺を入れておいた。そしてネットで場所を調べて「メディアイノベーション株式会社」の地図をプリントアウト。駅からは少し離れている様なので、念のためタクシーを利用した方が良さそうだ。

     前回同様ニコラ(イタリア人スタッフ)を連れて行った。最寄駅に降り立つとまだ少し時間があり、コーヒーショップに入って少し打ち合わせをした。持ち物なども確認して、今度は完璧だ。

     出てからタクシーを拾って住所と会社名を伝えた。

     

     

     到着した場所は駅の周囲の喧噪からかなり離れた、なんか住宅などもあるちょっと古びた町並み。(思ったより小さな会社なのか)とも思ったが、会社はすぐに見つかった。やはりビルも小さく、5階建て。その雑居ビルの2階に「メディアイノベーション株式会社」とある。随分イメージと違っている。取りあえず2階に上がり、扉を叩く。少し待って「はい」太めの機嫌の悪そうなおばさんが出てきた。会社の中も雑然としていて、とても最先端IT企業とは思えない。(いや、会社は見た目ではない)と自分に言い聞かせる。

     

    「失礼いたします。2時にお約束を頂いておりますG-FLEXの矢田と申しますが、関様はいらっしゃいますでしょうか?」

     

     そう言うとその女性は怪訝そうな顔で、

     

    「うちには関と言う者はいませんが。。。」

     

     と言った。

     

    「えっ?」

     

     耳を疑う。確かに関と言う人とアポイントを取った筈だ。すると「もしかするとお間違いなのではないでしょうか」とおばさんは続けて、

     

    「うちと同じ名前の会社が田町駅の近くにあるみたいですよ・・・」

     

     と言った。

     

    「えっ!?」

     

     さらに耳を疑う。まさか・・・。

     

    「そ、そうですか。それは失礼しました!」

     

     慌ててそこを去り、外に出た。そんなバカな。近くの同じ名前の違う会社に来てしまった訳だ。やばい、時間に間に合わない。もうほぼ約束の時間だ。すぐにメディアイノベーションに電話をした。とにかく遅れることを伝えなければ。

     

    「はい、メディアイノベーションです」

     

    「もしもし、あ、G-FLEXの矢田と申します。関様はいらっしゃいますでしょうか?」

     

    「関と言う者はうちにはおりませんが・・・。先ほどの方ですか?」

     

    「え・・・?」

     

     程無くすぐに気が付いた。どうやら今行ったばかりのメディアイノベーションに電話している様である。

     

    「あ、そうですか。またまた失礼しました!」

     

     慌てて切って、ニコラも慌ててネットでもう一つのメディアイノベーションを探す。こっちに違いない。

     

    「はい、株式会社メディアイノベーションです」

     

    (「株式会社メディアイノベーション」!?「メディアイノベーション株式会社」じゃなかったっけ?)前株と後株の違いだった様だ。

     

    「あの14時にお約束を頂いております、矢田と申しますが、関様はいらっしゃいますでしょうか?」

     

    「はい、お電話代わりました」電話口は関さんに代わる。

     

    「もうお約束の時間なのですが、あの、大変お恥ずかしいのですが、別の会社に来てしまいました。それでここから大急ぎでタクシーで向かいますので30分ほど遅れそうです」

     

    「は?・・・あぁ。。。了解致しました。。。」

     

     明らかに呆れた感じだった。 

     

     

     その後タクシーで株式会社メディアイノベーションに到着すると(ああ、これぞいわゆる儲かっているIT企業だ)と思わせるきれいなビルに、水の流れ落ちるオブジェのエントランス。やはり会社は見た目だった。

     

    「気にしないで下さい。御社で3社目ですから」

     

     と関さんはニコニコしながら言ってくれた。

     

     その後のミーティングはそれなりに得るものもあったと思うが、またしても超凡ミスと言うより、通常有り得ないミスをしてしまった事は自ら反省せざるを得ない。社長だから誰も怒ってくれないし。昔海外旅行に行く時、空港に着いてパスポートを忘れた事を思い出す。

     

     その後のミーティングもうまく行ったと思う。企画担当部長も自分なりのアイディアを出してくれ、会社として提携が可能かなどまで言及してくれた。

     是非提案をお願いしたい、と結び帰途に着いた。

     

     名刺を忘れた次は、違う会社に行ってしまった。まさかボケが始まっているのではないだろうか。。。とマジで心配。

     

     

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    | どうなるG-FLEX | 00:36 | comments(0) | - | - |